令和7年度 春期 午前Ⅱ 問17
セキュリティ
発生確率が最も低くなるもの
ある企業でのリスク分析結果は次のとおりであった。情報漏えい対策のうち,事象 C の年間発生確率が最も低くなるものはどれか。ここで,対策前の事象 X の年間発生確率を Q_X とし,事象 X への対策によって事象 X の発生を防止できる確率を d_X とするとき,事象 X への対策をしたときの事象 X の年間発生確率(P_X)は,Q_X(1-d_X)で計算する。また,事象 A 又は事象 B が発生することによって事象 C が発生するとき,事象 C が発生する確率(P_C)は,1-(1-P_A)(1-P_B)で計算する。
〔リスク分析結果〕
- 対策前のマルウェア感染(事象 A)の年間発生確率(Q_A):40%
- 対策前の外部ネットワークからの侵入(事象 B)の年間発生確率(Q_B):10%
- 情報漏えい(事象 C)は,マルウェア感染又は外部ネットワークからの侵入の発生によって,発生する。
- アd_A = 40%のマルウェア対策ソフトと d_B = 60%の IPS を導入する。
- イd_A = 50%のマルウェア対策ソフトと d_B = 50%の IPS を導入する。
- ウd_A = 75%のマルウェア対策ソフトを導入する。
- エd_B = 75%の IPS を導入する。
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✓ これが正解ウd_A = 75%のマルウェア対策ソフトを導入する。
解説
75%のマルウェア対策ソフトだけを入れると、事象 C は19%で最小です。
事象 C の発生確率は、まず各対策後の P_A と P_B を P=Q(1-d)で求め、次に P_C=1-(1-P_A)(1-P_B)に入れて比べます。マルウェア対策ソフトの d_A=75%だけを導入する場合、P_A=0.4×0.25=0.1 で、P_B は対策しないので 0.1 のままです。よって P_C=1-0.9×0.9=0.19 で、19%になります。ほかの案は、計算するとそれぞれ 27.04%、24%、41.5%となり、どれもこれより高くなります。元の確率が 40%と高いマルウェア感染を大きく減らすことが、事象 C を下げるうえで最も効くわけです。どちらか一方で起きる事象の確率は、起きない確率の積を 1 から引いて求める、という考え方を押さえておくと解けます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- アd_A = 40%のマルウェア対策ソフト…:d_A=40%なら P_A=0.4×0.6=0.24、d_B=60%なら P_B=0.1×0.4=0.04 です。P_C=1-0.76×0.96=1-0.7296=0.2704 となり、27.04%で 19%より高くなります。
- イd_A = 50%のマルウェア対策ソフト…:d_A=50%なら P_A=0.4×0.5=0.2、d_B=50%なら P_B=0.1×0.5=0.05 です。P_C=1-0.8×0.95=1-0.76=0.24 となり、24%で 19%より高くなります。
- エd_B = 75%の IPS を導入する…:IPS だけなら P_A は 0.4 のままで、d_B=75%により P_B=0.1×0.25=0.025 です。P_C=1-0.6×0.975=1-0.585=0.415 となり、41.5%で四つの中で最も高くなります。
この問題の用語
- リスク分析見つけた危険が、どのくらいの確からしさでどれだけの損害になるかを見積もること。大きさが分かって初めて順番を付けられます。
- IPS不正な通信を見つけて、その場で遮断まで行う装置。見つけて知らせるだけのIDSと違い、侵入を防ぐところまでを受け持ちます。
- 情報漏えい対策大事な情報が外に出ていくのを防ぐための備えです。秘密の情報を見分けて操作を止めるDLPは、その代表的な仕組みです。
- マルウェア対策ソフト既知のマルウェアの特徴と照らし合わせて、侵入や実行を見つけて止めるソフト。定義ファイルが古いと新しいものを見逃します。
出典:令和7年度 春期 システムアーキテクト試験 午前Ⅱ 問17
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