第38回 問題76
発達と老化の理解
高齢者のセクシュアリティ(sexuality)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1高齢になると性への関心がなくなる。
- 2男性は,高齢になっても性ホルモンの分泌が維持される。
- 3女性は,高齢になると性交痛を感じやすくなる。
- 4高齢者は生殖機能の喪失と同時にセクシュアリティ(sexuality)を喪失する。
- 5高齢者の性的欲求に,性差はみられない。
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✓ これが正解3女性は,高齢になると性交痛を感じやすくなる。
解説
女性は高齢になると、腟の潤いが減って性交痛を感じやすくなります。
セクシュアリティは、性的な行為だけでなく、他者への関心、親密なふれあい、自分の性をどう受け止めるかなどを含む、幅広い人間らしさの一部です。高齢になっても、セクシュアリティがなくなるわけではありません。
一方で、加齢による体の変化はあります。女性は閉経の前後から女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく減り、腟の粘膜が薄くなったり、潤いが少なくなったりします。そのため、性交時に痛みを感じやすくなります。
正しいのは、女性は高齢になると性交痛を感じやすくなるという記述です。性への関心がなくなる、男性の性ホルモンは減らない、生殖機能を失うとセクシュアリティもなくなる、性的欲求に男女差がない、という記述は、いずれも高齢者の性の実際に合いません。
見分け方は、高齢者のセクシュアリティは続くもの、体の変化には男女差がある、と押さえることです。介護の場面でも、利用者の性に関わる思いを否定せず、尊厳をもって受け止めることが大切です。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1高齢になると性への関心がなくなる。:性への関心は高齢になっても多くの人に保たれ、人によって形を変えながら続いていきます。高齢者には性への関心がないという思い込みは、本人の思いを見落とす原因になります。
- 2男性は,高齢になっても性ホルモンの分泌が維持される。:男性ホルモン(テストステロン)は、年齢とともに少しずつ減っていきます。女性の閉経のような急な変化ではありませんが、高齢になっても以前と同じ量が保たれるわけではありません。
- 4高齢者は生殖機能の喪失と同時にセクシュアリティ(sexuality)を喪失する。:セクシュアリティは子どもをもうける働きだけでなく、親密さやふれあい、自分らしさを含む広い概念です。生殖機能を失っても、人とのつながりや触れ合いを求める気持ちは続きます。
- 5高齢者の性的欲求に,性差はみられない。:性的な欲求の現れ方には男女で違いがみられ、ホルモンの変化の仕方も男女で異なります。男性と女性で同じと考えるのではなく、それぞれの違いを踏まえて理解することが必要です。
出典:第38回 介護福祉士国家試験(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)問題76。問題文と選択肢は原文のままです。解説は当サイト独自のもので、同センターとは関係ありません。
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