ITパスポート 平成30年度 春期 特別措置試験 問61
セキュリティ
リスク対応に関する問題
情報セキュリティリスクへの対応には,リスク移転,リスク回避,リスク受容及びリスク低減がある。リスク受容に該当する記述はどれか。
- ア セキュリティ対策を行って,問題発生の可能性を下げること
- イ 特段の対応は行わずに,損害発生時の負担を想定しておくこと
- ウ 保険などによってリスクを他者などに移すこと
- エ 問題の発生要因を排除してリスクが発生する可能性を取り去ること
答えと解説
✓ これが正解イ 特段の対応は行わずに,損害発生時の負担を想定しておくこと
解説
手を打たずに、損害が出たときの負担を見込んでおく対応です。
リスク対応は、四つに分けて考えます。一つ目は、対策を打って起きる見込みそのものを小さくするやり方です。二つ目は、起きる元になっていることをやめて、そもそも起こらないようにするやり方です。三つ目は、保険などを使って、負担する相手を別のところへ移すやり方です。四つ目が、あえて手を打たず、起きたときの損害は自分で引き受けると決めておくやり方で、設問が聞いているのはこれです。大事なのは、何も考えていないのと、引き受けると決めているのは違うという点です。決めている側は、損害の大きさをあらかじめ見積もっています。対策にかける費用のほうが重いと判断したから手を打たない。だから、負担を想定しておくと書いてある側が当てはまります。四つの名前は、損害を最後に誰が引き受けるかで並べ直すと混ざりません。
ほかの選択肢の解説
- ア セキュリティ対策を行って,問題発生の可能性を下げること:対策を行って問題が起きる見込みを下げることは、起きにくくする側の対応です。手を打っている時点で、あえて打たないと決める対応とは向きが逆になります。負担を誰が引き受けるかの話ではなく、起きる確率を動かす話です。
- ウ 保険などによってリスクを他者などに移すこと:保険などによって他者に移すことは、損害を引き受ける相手を自分の外へ動かす対応です。設問が聞いているのは、引き受ける相手が自分のままで、あえて対応を取らないと決める側です。移す先があるかどうかで見分けられます。
- エ 問題の発生要因を排除してリスクが発生する可能性を取り去ること:発生要因を排除して起きる可能性を取り去ることは、原因そのものをなくす側の対応です。損害を引き受けるという話がそもそも出てきません。設問が求めているのは、起きることを認めたうえで負担を見込んでおく側です。起きる前提かどうかが違います。
関連用語
- リスク
対応 リスクを避ける・減らす・移す・受け入れるといった手立ての中から選んで実行すること。 - リスク
移転 リスクによる損失の負担を、保険や契約で他者と分け合う対応。 - リスク
回避 リスクを生む活動そのものを行わないと決めて、リスク源をなくす対応。 - リスク
分析 見つけた危険が、どのくらいの確からしさでどれだけの損害になるかを見積もること。 - 情報
セキュリティ 情報について守りたい性質を、機密性・完全性・可用性の三つに分けて考える取り組みです。 - リスクへの
対応 評価で優先順位を付けたリスクに、実際に手を打つプロセスです。 - リスク
受容 リスクを分かったうえで、対応せずそのまま残すと決めること。 - リスク
低減 起きる見込みを下げたり、起きたときの被害を小さくしたりするリスク対応です。
出典:平成30年度 春期 ITパスポート試験(特別措置試験) 問61
解説は当サイト独自のもので、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)とは関係ありません。
関連問題
- 令和8年度 問40:
内部統制の 活動内容 (リスク 移転) - 令和7年度 問91:
リスク 対応に 関する 問題 (リスク 低減) - 令和6年度 問64:
リスク 共有の 例 (リスクへの 対応) - 令和5年度 問72:
リスク 共有の 説明 (リスク 回避) - 平成29年度 春期 (特別措置試験) 問63:
リスク 対応に 含まれるもの (リスク 受容)
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