平成22年度 春期 午前Ⅱ 問16
ハードウェア
ラッチ回路に関する問題
アドレスバスとデータバスを共用するMPUにEPROMを接続するため,図の回路構成にする。この場合,ラッチ制御信号として,適切なものはどれか。ここで,ラッチ回路は,ラッチ制御信号がHレベルなら入力を通過させ,Lレベルになるとそれを保持するものとする。
回路構成:
- MPUのAD_15〜AD_00 → データバス → EPROMのD_15〜D_00
- MPUのAD_15〜AD_00 → ラッチ回路 → アドレスバス → EPROMのA_15〜A_00
- MPU → ラッチ制御信号 → ラッチ回路
- MPU → リード信号 → EPROMのO̅E̅
- MPU → チップセレクト信号 → EPROMのC̅S̅
タイミングチャート(選択肢ア〜エもこのチャートの中の波形):
| 信号 | t1より前 | t1〜t2 | t2〜t3 | t3〜t4 | t4〜t5 | t5より後 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| AD_15〜AD_00 | t1の少し前からアドレス | アドレス | アドレス(区間の途中で終わる) | データ(区間の途中から) | データ | データ(区間の途中で終わる) |
| リード信号 | H | H | H | t3の直後にL | L | H |
| チップセレクト信号 | H | L | L | L | L | H |
| ア | L | H | L | L | L | L |
| イ | L | H | H | L | L | L |
| ウ | L | H | H | H | L | L |
| エ | L | H | H | H | H | L |
(t1〜t5 は原典に無い名)
- ア(原典は波形。t1でLからH,t2でHからL)
- イ(原典は波形。t1でLからH,t3でHからL)
- ウ(原典は波形。t1でLからH,t4でHからL)
- エ(原典は波形。t1でLからH,t5でHからL)
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✓ これが正解ア(原典は波形。t1でLからH,t2でHからL)
解説
アドレスが出ている間にLへ戻し、アドレスを保持させる波形です。
このMPUはアドレスとデータで同じAD15〜AD00を時分割で使うので、最初に出すアドレスをラッチ回路で保持し、その後データが流れてもEPROMのアドレス入力にはアドレスが出続けるようにする必要があります。ラッチ回路は制御信号がHの間は入力を通し、Lになった瞬間の値を保持します。したがって、制御信号はアドレスが出ている間にHからLへ下げなければなりません。チップセレクト信号が下がると同時にHになり、アドレスがまだ出ている途中でLに戻る波形が、この条件を満たします。Lへ下げる瞬間にバスに何が出ているかを見る、と考えると選べます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ(原典は波形。t1でLからH,t3でHか…:Lへ下げる時刻が、アドレスの出力が終わった後になっています。その時点のバスにはもう有効なアドレスが出ていないので、ラッチ回路が保持する値はEPROMへ渡すべきアドレスになりません。
- ウ(原典は波形。t1でLからH,t4でHか…:リード信号がLの間、バスにデータが出ている途中でLへ下げています。ラッチ回路はその瞬間のデータを保持してしまい、EPROMのアドレス入力にアドレスではない値が加わります。
- エ(原典は波形。t1でLからH,t5でHか…:Lへ下げるのがリード信号が戻る時刻で、それまでHのまま入力を通し続けます。アドレスの後に出てくるデータがラッチ回路を素通りしてアドレスバスに出るので、読出しの間アドレスを保てません。
出典:平成22年度 春期 エンベデッドシステムスペシャリスト試験 午前Ⅱ 問16
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