第40回 午前 問22
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
生体の情報伝達に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 1アドレナリンの受容体は、核内受容体である。
- 2インスリンの受容体は、Gたんぱく質共役型受容体である。
- 3グルカゴンの受容体は、チロシンキナーゼとして働く。
- 4cAMPは、ホスホリパーゼCによりつくられる。
- 5cAMPは、プロテインキナーゼAを活性化する。
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✓ これが正解5cAMPは、プロテインキナーゼAを活性化する。
解説
cAMPは、プロテインキナーゼAを活性化します。
ホルモンなどの情報伝達は、受容体の種類で仕組みが分かれます。水溶性のペプチドホルモンやカテコールアミンは細胞膜の受容体に結合し、脂溶性のステロイドホルモンや甲状腺ホルモンは細胞内(核内)の受容体に結合します。細胞膜の受容体には、Gたんぱく質共役型受容体と、受容体自体が酵素として働くチロシンキナーゼ型受容体などがあります。
アドレナリンやグルカゴンの受容体はGたんぱく質共役型受容体で、結合するとGたんぱく質を介してアデニル酸シクラーゼが活性化され、ATPからcAMP(環状AMP)がつくられます。cAMPはセカンドメッセンジャーとしてプロテインキナーゼA(PKA)を活性化し、PKAがさまざまな酵素をリン酸化して、グリコーゲン分解の促進などの反応を引き起こします。したがって、cAMPがPKAを活性化する記述が当てはまります。
インスリン受容体はチロシンキナーゼ型の受容体です。ホスホリパーゼCはcAMPではなく、イノシトール三リン酸(IP3)とジアシルグリセロールをつくる酵素です。cAMPはアデニル酸シクラーゼがつくりPKAを動かす、という一続きの流れで覚えておくと見分けられます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 1アドレナリンの受容体は、核内受容体である。:アドレナリンは水溶性のカテコールアミンで、細胞膜にあるアドレナリン受容体(Gたんぱく質共役型)に結合します。核内受容体に結合するのは、ステロイドホルモンや甲状腺ホルモンなどの脂溶性ホルモンです。
- 2インスリンの受容体は、Gたんぱく質共役型受容体である。:インスリン受容体は、インスリンが結合すると受容体自体がチロシン残基をリン酸化する、チロシンキナーゼ型の受容体です。Gたんぱく質を介して働く受容体ではありません。
- 3グルカゴンの受容体は、チロシンキナーゼとして働く。:膵臓のα細胞から出るグルカゴンは、肝細胞の膜にある7回膜貫通型の受容体に結合し、Gたんぱく質を介して細胞内のcAMPを増やします。酵素活性をもつ受容体ではありません。
- 4cAMPは、ホスホリパーゼCによりつくられる。:ATPを環状のAMPに変える反応は、Gたんぱく質で活性化された別の酵素が担います。ホスホリパーゼCが膜のリン脂質を切って生じるのは、IP3とDAGという別のセカンドメッセンジャーです。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問22(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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