第40回 午前 問11
社会・環境と健康
わが国の循環器疾患の疫学および予防対策に関する記述である。最も適当なのはどれか。1つ選べ。
- 11980年代以降の脳内出血の粗死亡率は、脳梗塞の粗死亡率よりも高い。
- 2令和元(2019)年から令和5(2023)年の人口動態統計によると、心疾患と脳血管疾患による死亡数を合わせると死亡総数の3割を超える。
- 3脳卒中の疾病登録が義務化されている。
- 4健康日本21(第二次)では、脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少の目標は達成できなかった。
- 5健康日本21(第三次)の循環器病の発症予防・重症化予防のための目標として、特定健康診査の実施率の向上がある。
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✓ これが正解5健康日本21(第三次)の循環器病の発症予防・重症化予防のための目標として、特定健康診査の実施率の向上がある。
解説
第三次の循環器病の目標に、特定健康診査の実施率の向上があります。
循環器疾患の疫学では、死亡統計の推移と、予防のための国の目標を合わせて押さえておく必要があります。
わが国の脳血管疾患の死亡では、かつては脳内出血が多くを占めていましたが、1970年代半ばに脳梗塞が上回り、1980年代以降は脳梗塞の粗死亡率の方が高い状態が続いています。人口動態統計の死因では、心疾患が全死亡の1割台半ば、脳血管疾患が1割未満で、合わせても3割には届きません。脳卒中については循環器病対策基本法などに基づく情報収集の取り組みはありますが、全国で疾病登録が義務化されているわけではありません。健康日本21(第二次)の最終評価では、脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少は目標を達成したと評価されています。
健康日本21(第三次)では、循環器病の目標として、高血圧の改善や脂質高値の者の減少、メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少と並んで、特定健康診査と特定保健指導の実施率の向上が設けられています。健診で早く見つけて保健指導につなぐことが発症予防・重症化予防の土台になる、と目標の意味で覚えると選びやすくなります。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- 11980年代以降の脳内出血の粗死亡率は、…:脳内出血が多かったのは高度経済成長期ごろまでで、1970年代半ばには脳梗塞が上回りました。1980年代以降は脳梗塞の粗死亡率の方が高いので、記述の大小は逆です。
- 2令和元(2019)年から令和5(2023…:死因別にみると、心疾患は死亡総数の1割台半ば、脳血管疾患は1割に満たない割合です。両方を合わせても2割強にとどまり、3割を超えることはありません。
- 3脳卒中の疾病登録が義務化されている。:脳卒中については、循環器病対策の中で情報の収集・提供が進められていますが、がん登録のように法律で届出を義務づけた全国の疾病登録の制度はありません。
- 4健康日本21(第二次)では、脳血管疾患・…:健康日本21(第二次)の最終評価では、脳血管疾患と虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少は目標値に達したと判定されています。達成できなかったという記述は評価と逆です。
出典:第40回 管理栄養士国家試験 午前(厚生労働省)問11(改変:1問ずつ解ける形に加工(状況設定の文を各問に複写・図を文字に書き写し))。解説は当サイト独自のもので、厚生労働省とは関係ありません。
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