令和2年度 10月 午前 問6
基礎理論
モンテカルロ法を応用したもの
円周率 π の値を近似的に求める方法のうち,モンテカルロ法を応用したものはどれか。
- ア正方形の中に一様乱数を用いて多数の点をとったとき,その点の個数と正方形に内接する円の中にある点の個数の比が,点の個数を多くすると同者の面積比である 4:π に近づくことを用いて求める。
- イ正方形の中に等間隔に多数の格子点をとったとき,その格子点の個数と正方形に内接する円の中にある格子点の個数の比が,格子点の間隔を細かくすると同者の面積比である 4:π に近づくことを用いて求める。
- ウ直径 1 の円に内接する正 n 角形の周の長さと円の直径の比が,n を大きくすると π:1 に近づくことを用いて求める。
- エ直径 1 の円に内接する正 n 角形の面積と円に内接する正方形の面積の比が,n を大きくすると π:2 に近づくことを用いて求める。
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✓ これが正解ア正方形の中に一様乱数を用いて多数の点をとったとき,その点の個数と正方形に内接する円の中にある点の個数の比が,点の個数を多くすると同者の面積比である 4:π に近づくことを用いて求める。
解説
乱数を撒いて円に入る割合から面積比を推定する方法です。
モンテカルロ法は、対象の性質を、乱数を使って多数の試行から統計的に見積もる考え方です。ですから、この方法を応用して円周率の見当を付ける記述を選ぶときは、乱数を使っているかという一点で見分けます。もう一つの手掛かりは、面積比を確率で近似する形になっているかどうかです。正方形の中に一様な乱数で多くの点を打つと、円の内側に入った点の割合は、そのまま円と正方形の面積比の見当になります。正方形の面積を 1、内接する円の面積を π ÷ 4 とすると、内側に入った点数の割合が π ÷ 4 に近づくので、そこから π の値を取り出せます。試行の回数を増やすほど誤差は試行回数の平方根に反比例して縮み、規則的な計算式に頼らず統計の力で近似が進みます。
ほかの選択肢はなぜ違うのか
- イ正方形の中に等間隔に多数の格子点をとった…:正方形の中に等間隔で多数の格子点をとる方法だと書かれています。格子で規則的に並んだ点を数える手順で、乱数を使っていないので、統計的な試行の積み上げで面積比を近似するモンテカルロ法とは別の考え方です。
- ウ直径 1 の円に内接する正 n 角形の周…:円に内接する正 n 角形の周の長さと直径の比を n を大きくしていくと書かれています。正多角形の辺を細かく取っていく幾何学的な極限操作で、乱数の要素がまったく入っていません。
- エ直径 1 の円に内接する正 n 角形の面…:円に内接する正 n 角形の面積と正方形の面積の比を n を大きくしていくと書かれています。これも多角形を細かく取って面積の極限を求める幾何の議論で、試行と統計に依らない手順です。
出典:令和2年度 10月 応用情報技術者試験 午前 問6
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